令和8年度のキッズチャレンジがスタートしました。第1回目は、公民館サークル「永和会」の森せつ子先生のご指導による「子ども茶会」です。神山公民館の和室で、小学3年生以上の子どもたちを対象に行われ、約1時間15分のあいだ、子どもたちは本格的な茶道の世界に触れました。

参加した子どもたちは10人ずつ3つのグループに分かれ、① お抹茶を点てる体験 ② お茶とお菓子を運ぶ体験 ③ お茶とお菓子をいただく体験の3つを順番にローテーションしながら体験しました。

お抹茶を点てる体験では、まずお湯で茶碗を温めるところから始まりました。このとき永和会の森先生から茶筅(ちゃせん)の持ち方と使い方を習い、お茶碗の中で茶筅を動かしながら「のの字」や「一の字」を描く練習を行いました。茶碗の中で茶筅を動かす子どもたちの表情は真剣で、初めての所作に集中して取り組んでいました。

茶碗が温まったあとは、お湯と抹茶を茶碗に入れてもらい、茶筅で実際にお茶を点てました。きれいに泡が立つと、「見て!できた!」と誇らしげな声が上がり、周りの子どもたちも嬉しそうにのぞき込んでいました。

この日の主菓子は、牡丹(ボタン)の花をイメージした可愛らしいお饅頭。点てたお茶とお菓子は、次のグループがいただく子どもたちの席まで運びます。お菓子はお茶を点てる前に運び、続いてお茶を運ぶときには「こぼさないように…」と緊張した面持ちで、そっと両手で茶碗を支えながら歩く姿がとても印象的でした。「お菓子とお茶を運ぶのが緊張したけど、できたらうれしかった」という声も聞かれました。お茶とお菓子をいただく体験では、お辞儀の仕方、菓子の取り方、茶碗の回し方など、茶席での礼儀作法を学びました。茶碗の正面(家紋)を相手に向けて置く理由や、いただく前に右回りで45〜90度を2回に分けて回す意味、つまり「茶碗の正面を避けて控えめにいただくための動作」であることを知ると、子どもたちは「なるほど」と納得した表情で丁寧にお茶碗を回していました。

体験の中、子どもたちは、静かに茶席を見守りながら、「みんながどんなふうにやっているか見るのが面白かった」、「次に自分がやるときの参考になった」といった声が聞かれ、ただ見るだけでなく、学びを自分の中に取り込んでいる様子が伝わってきました。

体験の合間には、茶道が約400年前に武士の文化として発展したことや、禅宗の影響を受けて心を整える時間として大切にされてきたこと、そして「一期一会」や「一緒に茶を飲めば兄弟」といった茶道の精神についても紹介されました。子どもたちは真剣に耳を傾け、「今日の茶会も一期一会なんだね」とつぶやく子もいて、伝統文化の心がしっかり届いていることを感じました。

体験を終えた子どもたちに感想を聞くと、「お茶ってにがいと思っていたけど、甘く感じた子がいてびっくりした」、「お菓子とお茶を運ぶのが緊張したけど、できたらうれしかった」、「茶碗を回す意味がわかって、ちゃんとできるようになった」、「観察していたら、自分の番のときにどう動けばいいかよくわかった」「今日の饅頭はどこに売っているの?」など、どの子も自分の言葉でしっかりと感じたことを話してくれました。

最後に、今回のお茶会を支えてくださった 永和会の皆さまに、心より感謝申し上げます。子どもたちにとって、この日の体験が「一期一会」の大切な思い出となり、これからの生活の中でも誰かを思いやる気持ちにつながっていけば嬉しく思います。

(記事と写真は公民館家庭青少年学習部のMさんより提供いただきました)